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聴覚障碍者と社会生活(3)

「聴覚障碍者のコミュニケーションは手話」と思いこまないで・・・。
 
一般的に「聴覚障碍者はコミュニケーション手段として手話」を使っている、と考えられている事が多いですが、手話でコミュニケーションがとれる聴覚障碍者は総数の15%に過ぎない、という事を覚えていただきたいと思います。
現在、我が国における聴覚障碍者の人口は総人口の10%と言われていますから、約1200〜1300万人と考えてよいでしょう。そのうちの15%、約200万人は手話で不自由なくコミュニケーションがとれるとしても、残る1000万人くらいの人は、程度の差は有っても手話による(完全な)コミュニケーションは難しいのです。
(1000万人の中には、不完全ながら残存聴覚を使ってコミュニケーションをとる事の出来る人も、相当数含まれています。)
 なぜなら、手話は“音声言語を習得する前に聴覚に障碍が出た人”或いは“生来聴覚に障害がある人”即ち一般に「聾者(ろう者)」と言われている人たちが用いている言語であって、ある程度の年齢に達して(言語を習得して)から聴覚に障碍を持つようになった人たち、即ち「中途失聴者・難聴者」にとっては習得或いは習熟するのが難しい言語だからです。
 もちろん、この中には手話を用いることによって「聾者」と見られることを嫌う人や、音声コミュニケーションから離れたくないという意識が強いために、手話に入って行けない人もいます。
<この事については、以前「要約筆記について」の項(行森氏)で取り上げましたので、参考になさってください>

 ここでは聴覚障碍者の中でも「中途失聴者・難聴者」を中心に取り上げていますので、この人たちにはどのようなコミュニケーションの方法があるのかについて考えて行きます。 前に取り上げたものと重複する面もありますが、改めて書いておきたいと思います。
 聴覚障碍者のコミュニケーション手段は、障碍が生じた時期(年代)や、障碍の程度、教育の度合い(学歴など)、生育環境(家庭など)などによって大きく異なってきますから、極端にいえば「その人に適した方法を(複合的に)用いる」事によって、(その人にとっての)最大のコミュニケーションが可能になるようにする必要があります。

 現在は主に次のような方法が用いられていますので、簡単に述べておきます。ただし、この他にも機器などを用いた方法もありますが、“個人でもできる”情報保障を中心に書いていますので、それらについては省略します。
1、 手話
指、顔、両腕、上半身などを用いて、事物、事柄、場所、時、人物など、あらゆる事柄について表現します。新しい言葉や表現方法などが次々に出来てきますので、健聴者特に初心者にとっては習得するのに努力が必要になります。
<註>必ず、言葉(口の動き)を併用します。
2、 指文字
指で「イロハ47文字とン及び濁音、半濁音、長音など全ての音」を表わす方法です。字数が多くなりますから少し煩雑ですが、覚える文字数が少ないので、比較的容易な方法です。
3、 空書
文字通り、指などで空間に文字(漢字・仮名文字)を書く方法で、手元に紙など筆記用具が何もない場合や、場所にかかわりなく情報保障が出来ます。ただし、画数の多い文字などは読み取り難くなるので、そういう面ではあまりよい方法とは言えません。
相手の方との関係が親しい場合、掌に書く事が出来れば効果的でしょう。
4、 口話(読唇・読話)
口や唇の形、舌の動を見て言葉を読みとる方法ですが、微妙な動きの違いを見分ける必要があるので、習得するのに難しい方法です。
5、 筆談
「書くこと」による情報保障の起源ともいえる方法で、筆記用具が手元に
あれば、誰にでもできるコミュニケーション手段と言えます。
<註>イエス様は、砂(土)の上に文字を書かれた事も有りました。
6、要約筆記
「要約筆記について」の項をごらんになってください。
                              

                            

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